どんな病気?

全ての人間の細胞は23組の染色体から出来ていて、子どもの性別を決める性染色体のXとY以外は、1から22まで番号が付けられています。

 

精子が卵子に到達した時に染色体が対になり、細胞分裂して胚が発達していくにつれ、これらのペアになった染色体もそれぞれの細胞にコピーされていくのです。

時々この過程でミスが起こり、細胞が対になった染色体をちゃんとコピーせず、もう1つ余計な染色体を作り出してしまう事があります。エドワーズ症候群の場合、18番目の染色体が1対でなく、更に余計にもう1本染色体が作り出されてしまう病気で(計3本)、時々18番トリソミー(染色体がペアの2本でなく3本ある病気)と呼ばれます。

胚が発達していくうちに、このコピーミスが全ての細胞で起こってしまう時があり、その場合赤ちゃんはフルにエドワーズ症候群にかかっている、と言われます。それ以外の場合はいくつかの細胞でのみミスが生じ、正常な対の染色体がある細胞と、そうでない細胞が作られます。この場合はモザイク型エドワーズ症候群と言われます。

エドワーズ症候群はとても深刻な遺伝子疾患です。ほとんどの場合、寿命が限られて来てしまいます。多くの胎児は産まれるまで生き延びられずに、子宮内で死んでしまいます。妊娠中に赤ちゃんのエドワーズ症候群が判明した場合、大抵の妊婦さんは妊娠中絶を勧められます。

出産まで生き延びられたわずかな赤ちゃんは、統計上その半分すら最初の1週間も生きられません。ほとんどが最初の誕生日を迎える事が出来ず、10歳まで生きられるのはわずか1%だと言われています(そのほとんどがモザイク型)。生き残ったケースでも、深刻な知的発達障害を抱える事があります。

エドワーズ症候群の赤ちゃんには以下の症状のうちのいくつか、もしくは全てが見られます。
• 心臓疾患
• 腎臓疾患
• 腸の問題
• 足の奇形(揺り椅子状足底)
• 低い位置の耳(耳介低位)、耳の奇形
• 握ったままの拳(屈曲拘縮)
• 特徴的な顔貌
• 後頭部が突き出した小さな頭
• 指の重なり
• 口唇口蓋裂

6000分の1の確率でエドワーズ症候群を産まれ持つ、という統計があります。ほとんどの場合単純に運が悪くて発症しますが、自分でも気付かないうちにこの症候群を発症する遺伝子を持っている、という事もありえます。妊娠期間中に死亡する胎児は女の子より男の子が多く、母親の年齢が高くなりにつれて発症のリスクは高まっていきます。

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