ホスピスケア

ママとパパは初めはホスピスケアを受けるのが、とっても嫌だったみたい。私が病気だって事を受け入れたくなかったのもあったと思うけど、ホスピスケアっていうのが実際どんなものなのか怖かった、っていうのもあったと思う。暗い場所かも知れない、って心配だったんだと思うな。

 

でも、私もママ達もホスピスで過ごす時間が大好きになって、最初に心配してた事が全然ほんとじゃなかったって分かったの。

 

住んでる場所によって、近かったりちょっと遠かったりするけど、イギリスの全ての地域がチルドレンズホスピスのサービスで網羅されてるんだよ。ホスピスによって機能やサービスが違うんだけど、ここでは私達がサービスを受けた、チルドレンズホスピスサウスウエストの一部にあたる、チャールトンファームについてお話するね。これを読む事で、ホスピスがどんな手助けをしてくれるかみんなに分かって、行くのをためらわないようになってくれたらいいな、って思うよ。

チャールトンファーム

私はチャールトンファームが大好きだったんだ。名前の通り、農場の建物や納屋を改装してつくった所で、野原や森に囲まれてるの。すてきな場所で、ブリストルから車ですぐだけど、人里離れててレスパイトケアにはぴったりなんだよ。

 

ホスピスは8人までの子どもを一対一でケアしてくれるの。行くといつでもスタッフが待っててくれて、私だけじゃなくて、ママやパパのお世話もしてくれたんだよ。

施設

メインのフロアが二階に渡ってるの。下には廊下を挟んで滞在する子どもの為の8つの部屋と、お世話をしてくれるスタッフの部屋があるんだ。あとプレイルーム、感覚刺激ルーム、小プール、ミュージックルーム、ソフトプレイルーム、アート・クラフトセンター、ティーンネイジャーゾーンなんかもあるの。他にも食堂やリビングルーム、リラックスできる温室や外庭、遊具スペースもあるんだよ。

 

上は家族の為のエリアになってるの。ママやパパは上の自分達のお部屋で寝てたんだよ。ステキな部屋で、外に出て座ったりおしゃべり出来るバルコニーもあったの(暖かかったらね)!!上の階の寝室は全部続き部屋だから、兄弟も来て滞在出来るんだよ。
なんでホスピスケアが必要なの?

私がまだ赤ちゃんなのに、どうしてホスピスケアが必要なの?ってみんな不思議に思うかも知れない。ママ達はかなり精神的に疲れきってたの。私を失ってしまうと分かっていながら、病気を受け入れる事がとても辛かったから。時にはエネルギー空っぽの状態で頑張っていて、次に待ち構えているチャレンジに立ち向かう為に、時々エネルギーのチャージが必要だったの。

 

私がなかなかミルクを飲まない事もあって、他の誰かに任せて飲ませてもらうのは無理だったし。他の人に預けてる間に私になにかあったらどうしよう?って。それでママ達には休む暇が全然なくって、何かあったらいけないからどこにも行けないし、友達のうちにもいられなかったの。だからママ達にとってホスピスにいる時が、唯一休める機会だったんだ。下でちゃんとケアをしてもらってると分かって、ゆっくり眠れたの。

 

私の部屋はステキだったんだよ。行くといつも「こんにちは、セリース」って書いてあるウエルカムボードがあって。私の揺りかごはステキな高い簡易ベッドの上に置かれてて、周りにはおもちゃや本がいっぱいあったの。スタッフの人はママやパパから、私の日々の詳細なスケジュールを引き継いでたんだよ。授乳の間隔、どのミルクを飲んでるか、どれぐらい飲んでるか、何時にお風呂に入るのか、スイミングや感覚遊び部屋など、どんなアクティビティをして欲しいか、などなど。

 

スタッフの人達はシフトごとに、誰が私の担当になるかで争ってたんだから。みんな私が抱っこが好きだって知ってて、みんなも私を抱っこするのが好きだったんだよ。

家族全員の為のケア

ホスピスにいる時ママとパパはほとんどずっと私と一緒にいたけど、時々はおでかけもしたんだよ。ママは一度美容院に行ったし、二人で何度か外にご飯を食べに出てたみたい。

 

ホスピスはちゃんと二人のお世話もしてくれたんだよ。食事を出してくれるから家族は家事から完全に開放されるし、スタッフの人達が、いつもお茶を入れてくれたりケーキを出してくれたりするの(私も食べたかったなぁ。美味しそうだったもん!!)。

おっきい子達は外にお出かけしたり、一緒に滞在してる兄弟の為のアクティビティもいつもあったんだ。
滞在中にママ達は他の家族と知り合って、友達になったりしたの。自分達だけじゃないんだ、って感じる事が出来たみたい。

 

私の親戚が時々会いに来る事もあったよ。いとこが全員来てくれた日があって、みんなホスピスがとっても気に入っちゃって、休みになったらまた来れないか聞いてたんだから!!

スタッフはとっても素晴らしい人達だったの。ママとパパを手伝って、私のミルクの問題の解決方法を探そうとしてくれたんだよ。自分達のお休みの日にも私の為に哺乳瓶を探しに行ってくれたり、ちょこっと寄って何か新しいことを試すお手伝いをしてくれたの。何でもしてくれたんだよ。

定期連絡

滞在していない時には、どうしてるか、心配事や質問がないか、定期的に確認の電話をしてくれたの。昼夜問わず助けが必要な時には、必ず電話に出てくれたんだよ。私の終わりが近付いてる事が分かると、ママ達は私をホスピスに連れて行ったんだ。スタッフは私の面倒をとてもよく見れてくたの。たくさんの愛と慣れ親しんだ顔に囲まれて、私は十分にお世話してもらえたんだ。

継続的なサポート

私は旅立った後、一週間以上ホスピスに残ったままで、ママ達が好きなだけ私に会えたの。ママ達が自分達の時間に私にさよならを言う事が出来て、最初の数日間現実に立ち向かう助けになったと思うな。私がそこにいる間にウェールズからおじいちゃん達が来る事が出来たし、ママ達がお葬式のアレンジをしたり色々連絡するのを、スタッフが手伝ってくれたんだ。ママ達はホスピスにいると守られてる感じがしたし、理解してその日その日の自分達を受け止めてくれる人達に囲まれてたの。

 

ホスピスとの関係は継続的なものなんだよ。スタッフはママ達がどうしてるか電話し続けてくれたし、ママ達もスタッフに会いに寄った事が二回あったし。ママ達はホスピスが懐かしいんだと思うな!!ホスピスで開かれた追悼ウィークエンドにも参加したし、近いうちにスターママとスターパパ(子どもを亡くした両親の為のグループ)にも参加する予定で、理解してくれる人達と思い出を分かち合うんだよ。

おわりに

このページを読んでホスピスがどんな手助けをしてくれるのか、良く分かってもらえたら嬉しいな。全然暗い所じゃないからね。同じような状況にある子ども達と両親がいて元気付けてくれる、素晴らしい事や幸せに満ちた場所なんだから。私はチャールトンファームとその歴史の一部だし、これからもずっとそうなの。ここで幸せだったし、みんなに愛されてたよ。

 

チャールトンファームについてもっと詳しく知りたい人は、クリックしてみてね。Children’s Hospice South West and Charlton Farm.

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