わたしとミルクの問題

ミルクを飲ませるのは、母親をしていく上でごくごく普通の事だよね。自分の子ども育んで、充実したやりがいのある経験になるはずだって思う。難しい事って、直面するととってもイライラしたりがっかりするだけじゃなくて、頭の中がその事だけで一杯になってしまったりするの。ミルクの問題は、エドワーズ症候群の赤ちゃんにはとってもよく見られる症状なんだって。ちゃんと吸いついたり、同時に飲み込んだり呼吸をするのが難しい赤ちゃんが多いみたい。

母乳育児

ママは最初は私を母乳で育てたいって思ってたの。私の病気が診断されると、免疫力を高める助けになるからって、なおさら母乳にこだわったみたい。でも私は吸う力が弱くておっぱいが飲めなくて。代わりにママは3時間ごとに母乳を絞って飲ませてくれたの。

注射器、哺乳瓶、点滴でのミルク摂取

病院にいる間、私は少量のミルクを注射器か哺乳瓶で摂取してて、産まれたばかりの時は点滴で摂ってたんだ。退院する時には、勧められて栄養を摂る為に鼻から胃にチューブを通す事になったの。色々調べた結果、この先それが一番いい選択だと思ったみたい。

経鼻胃管(鼻から胃に通されたチューブ)

鼻から胃に通したチューブで赤ちゃんに栄養を摂らせるなんて、ひどいって最初は思うかも知れない。確かに私は嫌いだったけど、ママやパパには比較的簡単に出来る方法だったの。チューブを通して栓を顔の所で留めて、鼻から胃まで通されていてたんだ。これがその写真。

 装着される時にちょっと不快な感じだけど、ほとんどの子どもも赤ちゃんもチューブには慣れちゃうみたい。なんで私はそうじゃなかったのか良く分からなかったけど、最後にはとっても嫌いになっちゃったから、みんなにそう伝えたの!!!

栄養チューブの使用

装着したら、毎回栄養摂取の時に、いくつかの手順を踏まなきゃいけないの。まず赤ちゃんが楽な姿勢で寝てるか確かめるんだけど、だいたい横向きに寝かせるといいみたい。それから注射器をチューブに付けて、吸い出せる液体を吸い出すの。これはチューブがちゃんと胃に入っているか確かめる為に行うんだって。吸い出した液体をリトマス試験紙の上に垂らして、胃液は酸性だから赤に変わったらOKの印。もしそうならければチューブがちゃんと入ってないって事で(肺に入ってるかも知れないし)、装着し直さなきゃいけないの。

 ちゃんと確認出来たら、別の注射器にミルクを入れて栓に付けるんだ。チューブにミルクが入りやすいように、ちょっと注射器を上に傾けるんだけど、早く入り過ぎないように注意してね。

 全部入ったら注射器をはずして、少量の滅菌水を入れた注射器を付けるの。これはチューブ内を洗い流して詰まらないようにする為なんだって。これで終わり!!!

哺乳瓶での授乳

ママとパパは栄養チューブの前に、注射器でミルクいつもを少しだけ口から飲ませてくれたんだ。出来るだけ私に口で味わって欲しいって思ってくれたのと、私の喉や口が乾きすぎないようにっていうのもあったの。

 それを見て飲んでる時に私がかなり上手に吸えてる、って気付いてもらえたの。だからホスピスの人が哺乳瓶で全量飲めるよう、手伝ってくれる事になったんだよ。チューブはすぐはずす事になって、哺乳瓶であげられる方がみんな嬉しかったみたい。チューブが顔からはずれて写真を撮るにもとっても良くなったし、会った人にいちいち事情を聞かれないでよくなったの。

 ママ達は色んな形の乳首を試してくれたけど、一番良かったのはNUK(ヌーク)の哺乳瓶と乳首だったんだ。

 初めは全て上手くいって、私は問題なくちゃんと飲んだの。でも数週間経つと、飲むのがどんどん難しくなってきちゃって。ちゃんと吸って、飲み込んで、呼吸をする為のエネルギーもスキルも私には足りなくて、飲む量がどんどん減って、飲み終わるまでにどんどん時間がかかるようになったの。

最後に「ハバーマンフィーダー」っていう哺乳瓶を試してみたんだ。長い乳首にミルクが流れて来て、飲ませる人がミルクが出るように乳首を絞るの。口唇口蓋裂のあかちゃんに良く使われてるんだって。この哺乳瓶を使うと、コリックの頻度も減るみたい。でも何度か試してみたけど、私には上手くいかなかったの。

注射器での授乳

栄養チューブをまた着けられるのを私がとっても嫌がったから、注射器でミルクを飲ませる方法に頼るしかなかったの。やり方としては比較的簡単だったしね。注射器にミルクを入れて、口に垂らして飲ませるの。何が問題だったのか誰も分からなかったけど、私はミルクの間ずぅーっと叫んでたんだ。注射器ではちょっとずつしか飲ませられないから時間がかかって、その間私がとっても嫌がってるからママも辛かったみたい。でも最終的にはそれしか栄養を摂る方法がなかったんだ。

経口胃管/G-チューブ(お腹から胃に挿入する栄養チューブ)

私はどっちも使わなかったんだけど、経鼻胃管じゃなくて経口胃管にする、っていう可能性はあったみたい(多分着けたらすぐに私は取っちゃうと思うけど)。

 G-チューブはちょっとした手術をして挿入するから、たいていは麻酔が使えるぐらいの、もうちょっと年齢がいってる/大きい子どもに使うんだって。

頻度 & 飲む量

退院したばかりの頃は、3時間おきに飲んでたの。一回でだいたい40-45ml.飲んでたんだ。初めは3時間ごとのサイクルが上手くいくいってる感じだったの。私は問題なく飲んでたし、授乳時間までの間にほとんど泣かなかったから。

 ちょっと大きくなるにつれて授乳を嫌がるようになって、ママ達は色んな授乳の仕方を試してみたの。欲しがって泣いたら飲ませるようにしたり、少量のミルクをもっと頻繁にあげる方法(例えば2時間おきに)もやってみたんだ。欲しがった時にだけあげる方法は、私が10~12時間もほしがらない時もあってほとんど泣かなかったから、そんなに上手くいかなかったんだ。どれだけ飲んだか、どれだけ吐き戻したかも、ほとんど関係なかったみたい。

 結局一番良かったパターンは、初めにやってた3時間おきのパターンだったみたい。

 私の体重がほんの少ししか増えなかったから、飲ませるミルクの量はほとんど変わらなかったの。一番飲んでた時で搾乳した母乳を一日400ml.だったけど、粉ミルクに移行した後はカロリーがもっと高いからこれより量は減らしたんだ。

ミルク & 食べ物

最初はママが母乳を絞って飲ませてくれてたんだ。体重はほとんど増えなかったけど、私はちゃんと飲めてたの。私がなかなか飲まなくて吐くようになってから、ママが十分な母乳を出すのに苦労するようになったみたい。

 母乳を出やすくする薬もあったんだけど、利尿作用もあって私の体内にも入る恐れがあったから、やめておくように言われたんだって。

最終的にはママは諦めて、チルドレンズホスピタルの栄養士さんのアドバイスで、もっとカロリーが高い、インファントリ二っていう粉ミルクを試す事になったの。このミルクは処方に基づいてるから、どれぐらいちゃんと飲んでるか確認して増量を検討する為に、ママは定期的に栄養士さんに体重増加の報告の電話をしなきゃいけなかったんだ。

初めは良く飲んでたんだけど、結局前と同じように飲むのを嫌がるようになったの。かわいそうなママは、出来る事を全部試してみたんだ。粉ミルクにミルクシェイクの素を入れて見た事もあったんだけど、効果はなかったの。ママは離乳食も試しに始めてみたんだよ。私がちゃんと食べられるようになるとは思ってなかったと思うけど、色んな味を味わって嫌なミルクの経験を忘れられるなら試す価値がある、って思ったみたい。人参、パースニップ、離乳食用ごはん、さつまいもなんかを食べてみたんだけど、私の一番のお気に入りは、リンゴとか梨とかの甘い物で、特に好きだったのはバナナ。ママは離乳食はミルクに追加であって、代わりにしないように気を付けてたんだ。

 ホスピスの助けを借りて、ママは最後に「Thick and Easy」(「濃くて簡単」)っていう名前のミルクを試してみたの。これは基本的にもっと濃いミルクなの。普通のミルクが私にとってサラサラ入って来過ぎて、私がパニックになって嫌がるんじゃないか、って思ったみたい。濃いミルクの方が、呼吸するのも飲むのも楽だからね。飲み始めた時私は良く飲んだけど、残念な事に試したのが最期の数日間だけだったから、長期的に効果があったかどうか分からないんだ。でも最期の数日間私は喜んで飲んだから、ママはとってもありがたく思ったみたい。

コリック, 便秘 & 胃食道逆流症

私はこの3つのどれかに悩まされてる時があったせいで、ミルクを飲むのが嫌になった、っていうのもあったみたい。

 初めはチューブで栄養を摂ってたからほとんど問題がなかったんだけど、哺乳瓶で飲むようになってコリックが始まったの。初めの数週間は全然叫んだ事なかったのに、急に叫ぶようになって、ママ達に不快だって事を伝えたんだ。インファコールっていうコリックのお薬を使ってみたんだけど、効果がなかったみたい。

結局コリックはおさまっていったんだけど、代わりに便秘と胃食道逆流症が始まったの。便秘は粉ミルクにしてから始まったんだ。うんちは柔らかいんだけど、出る回数がどんどん減って、出なくて不快な感じになって。ママがお医者さんに連れていってくれて、ラクトゥロースっていうお薬をもらったの。これは甘くて美味しいからとっても好きで、飲む時いっつもチュッチュッ、って音させちゃったんだ。効き目もあったんだよ。

A&Eに行っていいお医者さんと栄養士さんに出会えて、胃食道逆流症のお薬も飲む事になったの。ママは忘れないように、いつどの薬を飲ませるのかメモを書いておいたんだよ。ラクトゥロースの他にも、ミルクにガビスコンを混ぜて、オメプラゾールの錠剤を薄めて、少量を一日一回飲まなくやいけなかったの。

スピーチセラピー/コミュニティチームの栄養士さん

 私のミルクの問題にアドバイスが欲しくて、ママ達はスピーチセラピストの人にみてもらいたがってたの(ミルクをあげる様子を観察して、合いそうな哺乳瓶とか乳首を勧めてくれるんだって)。残念ながら予約の日が遅すぎて間に合わなかったから、「問題解決」につながったかどうか分からないままで終わったんだ。

 ママ達はコミュニティチームの栄養士さんにも見てもらおうとしたの。いつもだいたい家にこもりきりで、チルドレンズホスピタルにいる栄養士さんにみてもらうのは難しかったから。他に試してみた方がいいミルクがあるのかどうか、他にいい方法があるのかどうか分からなかったんだ。でも、私がもう栄養チューブをしてないから、チームの栄養士さんに紹介してもらう基準を満たしてない、って言われちゃったの。チューブをしてた時よりもっと飲めなくなってるのに、そんなのとってもばかげた話に思えるけどね。

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